※ 別冊 可視総合光線療法 理論と治験 黒田一明 著より引用
光化学作用
光線(紫外線)が皮膚内の物質に作用し、生体中に種々の新しい物質を作成する作用。
※皮膚内に存在する7ーデヒドロコレステロールをビタミンDに変換する。ビタミンDは腸からのカルシウム吸収、カルシウム代謝を介して細胞機能の恒常性維持に必要不可欠な作用がある。
- 骨軟化症、骨粗しょう症、変形性関節症の治療と予防
- アトピー性皮膚炎、花粉症などの治療と予防
- 動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の治療と予防
- 角化細胞の増殖抑制作用による尋常性乾癬、魚の目、ベンチ、タコなどの治療と予防
- 発ガン抑制作用によるガン、腫瘍の抑制
- 皮膚内にあるヒスチジンをヒスタミンやヒスタミン様物質に変化させる。
- 胃液や消化液の分泌調整による胃腸病の治療と予防
- 抹消血管拡張作用による血圧上昇抑制
深部温熱
生体への浸透力が強い可視線(赤色)と赤外線は、光線照射局所に充血を起こし血流を増加させ、患部の血行を改善する。
- 抹消血管拡張による冷え性、ひび、あかぎれ、しもやけなどの治療と予防
- 冠状動脈の格好改善による心臓病の治療と予防
- 抹消血管拡張、心臓機能強化による高血圧症、低血圧症の治療と予防
- 消化管の働きや消化機能の改善
生体リズム調整
光エネルギーは目を通し網膜に達し、その刺激は視神経を介し脳神経系に達する。光刺激は、脳の中心付近にある松果体に作用し、メラトニンの分泌を調節する。メラトニンは脳下垂体に作用し、生体リズム、体の成熟、性腺の周期的活動、高血圧、免疫機能、抗酸化作用など多くの昨日に関与する。
- 時差による睡眠障害(時差ぼけ)、不眠症、季節性うつ病、痴呆症などの治療と予防
- メラトニンの降圧作用による高血圧の抑制
- メラトニンの脂質低下作用による心臓病の治療と予防
鎮痛
深部温熱作用により患部の血流を改善し、プロスタグランジン、ヒスタミン、ブラジキニンなどの発痛物質を除去し、鎮痛とともに痛みの原因も改善し、炎症を鎮める作用を発揮する。
- 関節痛(肩、肘、指、股、膝、足など)、神経痛(三叉神経、坐骨神経など)の治療と予防
- 椎間板ヘルニア、腰椎捻挫、変形性腰椎症などによる、急性、慢性腰痛の治療と予防
- 膠原病による関節痛の治療と予防
- スポーツ、外傷などによる打撲、筋肉痛の治療
- 外傷による傷、抜歯後、火傷の痛みの治療
- 偏頭痛、腹痛などの血管や内臓筋肉の収縮による痛みの治療と予防
免疫調整
可視総合光線にはビタミンD、カルシウム代謝を介する免疫調整作用がある。多くの原因不明の疾患には免疫異常が関与していることから、光線による免疫調節作用の応用範囲は広い。
- 風邪、気管支炎など感染症の治療と予防
- 慢性関節リウマチ。強皮症、橋本病などの自己免疫疾患(膠原病)の治療と予防
- 発ガン抑制作用によるガン、腫瘍の抑制
消炎(腫脹吸収)
可視総合光線には、鎮痛効果と同様に強い抗炎症作用がある。
- 扁桃炎、中耳炎、関節炎などの腫脹の治療
- 痛みを伴う種々の疾患の腫脹吸収
肉芽発生
可視総合光線は、創傷部の結構改善とともに創傷部の治癒家庭を速やかに進め、種々の細胞を呼び寄せて強靭な肉芽の京成を促し、あらゆる創傷の回復を進める。
- 褥瘡(床ずれ)の治療の予防
- 外傷、手術痕、火傷の治療
殺菌
可視総合光線(紫外線)は、免疫調整作用に加えて白血球の遊走能、食菌能を強化することから感染防御機構を介して細菌感染症の予防に有効である。
- 風邪、気管支炎などの感染症の治療と予防
- 外傷、手術創、火傷などの創傷部の感染予防
- アトピー性皮膚炎などの皮膚病における最近の二次感染の予防
- 扁桃炎、中耳炎などの感染の治療と予防
- ニキビの感染予防
睡眠
可視総合光線は、血行改善と自律神経、内分泌、松果体ホルモンの働きを調整し自然な眠りをもたらす。
- 種々の睡眠障害
食欲・便通
可視総合光線による皮膚、内臓の血行改善とヒスタミンなどの光産生物質の作用により、消化管の働きが活発になり食欲を増進し、便通を良好にする。
- 胃炎、胃潰瘍、便秘などの胃腸病の治療と予防
- 胃下垂の治療
- 胃・大腸切除後の食欲減退の治療
解毒
可視光線(青色)は、血中に増加した脂溶性ビリルビンを水溶性ビリルビンへ変化させる作用があり。新生児重症黄疸にも使用されている。可視総合光線は肝臓、腎臓の機能を活性化し、解毒作用を発揮する。
コレステロール低下
可視総合光線には、脂質代謝を改善し、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある。
- 動脈硬化の治療と予防
- 冠状動脈の動脈硬化の進行を抑え、心臓病の治療と予防
- 末梢血流障害の治療と予防
- 脂肪肝の治療と予防
消痒
可視総合光線は皮膚病の痒みだけではなく、種々の疾患の痒みに有効。
- 糖尿病、腎不全、肝臓病などによる痒みの治療
利尿
可視総合光線は新陳代謝を盛んにし、皮下で、光産生物質の生成を高め、血行と腎機能を改善し、特に尿量を増やす効果がある。
- 心臓病、腎臓病、種々のむくみ、夜間頻尿に利用
- 痛風の治療に応用(尿酸を尿中への排泄の促進)
筋力・運動能力向上
可視総合光線は自律神経系、ビタミンD産生を介して、副腎皮質ホルモン分泌を促進し、筋力、運動機能を向上させる。
- 虚弱児童の体質改善
- 学童の運動能力と疲労に対する抵抗力向上、物疲れの軽減
呼吸機能改善
可視総合光線は、血液循環調整作用と去痰作用により呼吸機能を改善させる。
- 慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫の治療
神経機能改善
可視総合光線は光化学作用と温熱作用により、神経機能を改善させる。
- 脳卒中後遺症(手足の麻痺)、神経麻痺、小児麻痺、手足の痺れなどを改善