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中足骨疲労骨折とは?

中足骨は、足の甲にある5本の長い骨で、足部とつま先をつなぐ役割を担っています。ランニングの際には着地時に大きな衝撃が中足骨にかかるため、過度な反復運動により微細な骨折が生じることがあります。これが「疲労骨折」です。
症状
- 足の甲の痛み(特に第2中足骨に多く見られます)
- 走行中または走行後に痛みが増す
- 腫れや圧痛
- 安静時には痛みが和らぐが、運動で再発
- なかなか引かない痛みが数日から数週間続く場合は、疲労骨折を疑う必要があります
初期段階では痛みが軽微なため、「ただの疲れ」と誤認されやすい点に注意が必要です。
診断方法
疲労骨折の診断には一般的に医療機関により、以下の方法が用いられます。
1. 問診と触診
痛みの部位や発症の経緯を詳しく聞き取り、患部を圧迫して痛みの強さを確認します。
2. 画像診断
- レントゲン検査:初期には変化が見られないこともあります。
- MRIや骨シンチグラフィー:疲労骨折の早期診断に有効です。
診断には必ず医師による診察が必要です。
治療法
1. 安静
運動を中止し、患部にかかる負荷を最小限に抑えます。軽度の場合、約4〜6週間で治癒することが一般的です。
2. 固定
多くの疲労骨折の場合にはギプス固定などは行わずに、弾性包帯による保護やテーピングによる処置で対処することが一般的です。
損傷の程度や場合によっては足底板やギプスで固定を行い、骨の安定を図ります。
3. 超音波治療

近年では**骨折治癒促進を目的とした低出力パルス超音波**が使用され、治癒期間を短縮できる可能性があります。
<当院での導入例>
当院では超音波治療器を導入しており、なかなか引かない痛みを抱えたランナーの方にも多数ご利用いただいております。
1回あたり20分程度の照射を継続的に行うことで、骨形成を促進し、従来よりも早期のスポーツ復帰が期待できます。
4.再発予防のリハビリ
柔軟性、筋力の改善、足部のアライメント調整を含むリハビリテーションが重要です。
予防法
1. トレーニング量の管理
走行距離や頻度を急激に増やさないことが基本です。特に「月間走行距離」を記録し、オーバートレーニングを防ぎましょう。
2. シューズの見直し
足に合わないシューズは疲労骨折の原因となります。足型や走行フォームに合ったシューズ選びが大切です。
3. 栄養の確保
カルシウムやビタミンD、たんぱく質など、骨の健康に必要な栄養素を日常的に摂取することも予防には欠かせません。
4. フォームの改善

体幹や下肢の筋力バランスを見直し、適切なランニングフォームを習得することが重要です。専門家による動作分析も有効です。

まとめ
足骨の疲労骨折は、初期に適切な対応を行うことで早期の回復が可能です。特に「なかなか引かない痛み」がある場合には自己判断せず、専門機関での診断を受けることをおすすめします。
治療には安静をはじめとした基本的な処置に加え、超音波治療器の活用も効果的です。再発を防ぐためには、予防的なアプローチも並行して行っていきましょう。


