日光浴やビタミンDが免疫機能に影響を与えますが、人体での研究の数は少ないです。
そのような中、ドイツの研究で「日に当たる事が人の免疫にどのような影響を与えるか」と言ったものがあります。
ドイツの冬期にボランティア医学生32人を対象に日差しの強い地域に旅行に行ってもらい、血中ビタミンD濃度とインターロイキン2受容体の数を調べたところ、512→590U/mlと有意になり、血中ビタミンD濃度も上昇していました。
また、旅行期間が長いグループほど上昇幅が多かったようです。
この事から、人が日に当たることによって、ヘルパーT細胞(免疫機能)を高めることを示唆しています。
インターロイキン2とは、ヘルパーT細胞から生産されるサイトカインと呼ばれる物質で、免疫能を高めると同時に、免疫を抑制させる働きのある制御性T細胞(抑制性サイトカインインターロイキン10を放出する)の維持に必要であると考えられています。
この研究により、インターロイキン2受容体が増加したと言うことは、免疫系が賦活されていることを意味します。この研究は日に当たることによって抗病力である免疫能が増すことを意味する数少ない研究結果です。
「光の生物学的作用」の学会報告(1995年開催)より
今後も、どんどん研究が進んできて「光と免疫」の関係が明らかにされてくると思われます。
【参考文献】可視総合光線療法 理論と治験 黒田一明 著