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冷えと粘膜の関係
体が冷えると様々な症状が出ます。
冷えから来る代表的な疾患は風邪で、細菌やウィルスによって鼻、のど、気管支に炎症が起きます。そして、発熱、くしゃみ、鼻水、咳、痰などの症状があらわれます。
感染する人、しない人の違い
しかし、風邪が流行していても、罹る人、罹らない人がいます。その違いは抵抗力にあり、抵抗力の高い人は、免疫機能の働きが活発な人であります。
ウイルスとの戦いの場は粘膜
免疫は生体防御を司り、その最前線(第一次防御)は、粘膜で、その中でも外界と接する、鼻、のど、気管支などの呼吸器で、消化器では、胃、腸などが免疫による闘いの場となり、免疫が強く勝っていれば無症状に収まり、負けていれば炎症として現れます。
こんなにある粘膜
他にも外界と接している粘膜は、泌尿器の膣、生殖器、膀胱、前立腺などで、眼、口腔、唾液腺、耳、副鼻腔、肛門などがあります。
粘膜から病気になりやすい
これらの粘膜は、冷えや疲れ、ストレスなどの影響を受けやすく、炎症を起こしやすい場所であり、また、粘膜への慢性的な炎症は、放置しておくと大病(がんなど)に進行してしまう可能性があるります。
免疫活性物質は粘膜から分泌される
兵隊が密集している粘膜
粘膜からは、多量の粘液が分泌されていて、その中には、免疫グロブリン、補体、酵素などが含まれます。その作用によって白血球、リンパ球が活性化され、異物を消化し、無毒化する働きがあります。
身体の中で、粘膜は一次防衛線としての機能を果たしています。
外敵に負けないためには
そのほかの体の機能では、武器工場の役割がある、骨髄、脾臓、リンパ節。
物資補給基地の役割がある、肝臓、消化器。
防衛本部の胸腺。
輸送路の血管、リンパ管。
情報ネットワークの神経路。
これらに一つ障害があると、体の抵抗力が低下します。中でも冷えは循環障害を起こし、体の様々な障害を起こします。
可視光線療法では、光エネルギーと熱エネルギーを補填して、免疫を高め粘膜の健康維持を促進し、外敵からの侵入を防ぎます。
部位ごとの粘膜
①眼粘膜
眼球や眼粘膜は、常に涙で覆われていて、涙には多少の殺菌効果があります。涙が不足すると目やにが多くなります。粘膜性の病気には結膜炎、アレルギー性結膜炎、角膜炎などがあります。
②口腔粘膜
唾液には殺菌作用と洗い流し作用があります。それと口腔内の正常微生物などが感染予防に作用します。抗生物質やステロイド剤の使用で、正常微生物などが抑えられてしまうと、感染しやすくなってしまいます。
③鼻、気道粘膜
異物を感知すると、粘膜分泌細胞から出る粘液と繊毛運動で異物を排除します。免疫グロブリンと種々の酵素で、ウィルスや細菌を殺菌的、抑制的に働きます。
この部位では鼻炎、副鼻腔炎が多く出ます。
また、アレルギーの方は慢性的な冷えを持っている人が多くいる傾向です。
健康な方でも冷えると鼻水、鼻詰まりと言った症状が出てきます。
④消化管粘膜
胃液には強力な殺菌作用があり、多くの異物や病原微生物は死滅します。
腸内細菌は通常では人には無害で、ある種は人にとって有益に働きかけます。
小腸の回盲部(盲腸)は特に免疫系が発達しています。
冷えることにより、胃下垂、下痢、便秘などが起こります。
胃炎や胃潰瘍は、過労、ストレス、冷えが原因で粘膜の働きが弱り、粘液の分泌が抑えられて胃の防御機能が低下し、そのため攻撃因子(胃酸など)が増強し発症します。
⑤胆嚢粘膜
肝臓により胆汁が生成され胆嚢に送られ、胆嚢内で胆汁は濃縮されます。濃縮された胆汁は、消化をするために十二指腸へ分泌されます。
胆汁の機能は、消化機能と、腸粘膜をきれいにする働きと、腸内細菌の異常増殖を抑制する働きがあります。
⑥泌尿器粘膜
排尿は、ある程度の尿路の洗浄能力があり、感染症予防効果があります。
⑦膣、子宮粘膜
成人では膣内に乳酸菌などによる細菌叢があり、乳酸菌の働きにより、酸性に保たれ、病原微生物の侵入を防いでいます。
冷えや、閉経後などは乳酸菌の数が減少して、おりものが増加します。
また、冷えは子宮粘膜と卵巣機能を低下させます。生理不順、生理痛、不妊症、更年期障害、子宮筋腫となりやすくなります。
⑧肛門
痔があると粘膜を傷つきやすくなり、炎症が促進され痔ろうへと繋がる事があります。
冷えに対する可視光線療法の作用
強度の冷えは、鼻、のど、気管支、胃、腸、膀胱、子宮、肛門、などに異常が現れる事が多く、粘膜と冷えとの関係が強いと考えられます。
また、冷えは自律神経、ホルモンの異常に基づくものもあります。
可視光線療法では可視光線による深部温熱作用で循環障害を改善して血流を促進します。
それに加え、光エネルギーにより、
- 殺菌作用
- 白血球の遊走(動く回る能力)を促進
- 異物食作用(体内に侵入した病原微生物や異物を取り囲み無毒化)
これらを促進させることにより免疫機能を強化して、炎症を抑えます。
また、症状を改善させると共に、可視光線療法を継続していくと、症状の再発予防効果が期待できます。