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【病気にならない生き方】ミトコンドリアの活力を作る仕組み【ミトコンドリアについて②】

前回の続きです。

【ガン、肥満、糖尿】ミトコンドリア活性が弱まると、あらゆる病気になる【ミトコンドリアについて①】

私たちと共生しているミトコンドリア

ミトコンドリアは直径1〜2ミクロンの大きさで(1ミクロン=1ミリの1000分の1)細胞の中の器官として存在していて、糸状に連なっています。

外膜と内膜があり、二重膜構造になっています。中心の部分はマトリックスと呼ばれ、その部分からエネルギーを生産します。

もともと生物は原核生物と呼ばれるDNAが剥き出しになっている細菌のような微生物でした。

カラダの中の隣人”腸”健康法 長沼敬憲 著より

原核生物は酸素を必要としなかったので、行動の範囲が少なかったのですが、ある日、酸素をうまく使うことができる(好気性細菌)と合体して、共存の道を選びます。

カラダの中の隣人”腸”健康法 長沼敬憲 著より

その合体によって、糖や酸素を使ってエネルギーを生み出せる細胞が誕生します。

車で言ったら電気とガソリンの両方で走るハイブリットカーの誕生といったところでしょうか。

そして、エネルギー効率が良くなった微生物たちと、地球という酸素が豊富な環境によって、その数は爆発的に増えていき、進化を経て、今の私たちの体を構成するまでに至りました。

私たちの細胞でエネルギーを生産する時には2つのシステムがあります。

一つは「解糖系」と呼ばれ、糖を材料にし、その糖からATPが2分子つくられます。(※ATP=エネルギーと考えて良いと思います。)

もう一つはミトコンドリアが食べ物から得た栄養素(糖質、脂質、タンパク質)と呼吸から得られる酸素を原料にし、36分子のATPが生成されます。

ミトコンドリアからのエネルギーは解糖系よりも、なんと18倍ものエネルギーを生産することができます。

解糖系=瞬発力、ミトコンドリア=持久力と言った感じでしょうか。

ミトコンドリアはエネルギーの生産工場

運動により筋肉を酷使します。例えば筋トレです。

筋トレでは解糖系が酷使されます。糖から乳酸が生まれます。

乳酸は肝臓に運ばれて再び糖に生まれ変わります。これを糖新生といいます。

さらに運動を続けると、糖新生が追いつかなくなり、疲労が蓄積してきます。

疲れてくると自然と呼吸が「ハア、ハア」となってきますよね。

この激しい呼吸によって酸素が取り込まれ、ミトコンドリアのエネルギー生産工場の稼働が始まります。

マラソンの走り始めが、めちゃくちゃしんどかったりしますが、ある程度走ってきたら、しんどさが緩和してくるみたいなタイミングってありますよね?

それがミトコンドリアモードに切り替わるタイミングです。

食べ物の最終到着点は細胞

食べものからエネルギー生産する時は、腸→細胞→ミトコンドリアと取り込まれる過程で、どんどん食べ物から分子レベルへと分解されます。

この分子レベルの食べ物を取り込むのがミトコンドリア工場の中にあるTCA回路で、この回路では食べ物から得たすべての物質を使うことができます。

またTCA回路に取り込まれると違う物質に変化され、さらに電子伝達系を経て、発電所のタービンのように物質が変化しながらぐるぐる回って、ATPというエネルギーを取り出します。

カラダの中の隣人”腸”健康法 長沼敬憲 著より

私たちの細胞の一個一個にこの発電所&生産工場が存在するわけです。

生き物ってすごいですね〜。

ミトコンドリア工場を回すために

食べ物がTCA回路や電子伝達系を経て様々な有機酸や分子に姿を変える時、その過程を補助しているのが酵素です。

酵素の役割によってエネルギー製造できるのですが、その酵素をうまく働かせるためにはのビタミン(補酵素:酵素を補う)が必要です。

主にビタミンB群の働きが重要です。

糖の代謝に関わるのがビタミンB1です。

糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わるのが、ビタミンB2です。

タンパク質の代謝に関わるののがビタミンB6です。

また、ナイアシン、パントテン酸もエネルギー製造に欠かせないメンバーにです。

酵素の酵素反応をスムーズに起こすために、これらビタミンB群の力が必要になります。

活性酸素も作ってしまうミトコンドリア

食べ物がミトコンドリアの電子伝達系で分解される際に、人体にとって有害な活性酸素を排出してしまいます。

車が走れば排気ガスが出るように、エネルギーを生産する上でどうしても負の物質が生まれます。

活性酸素は細胞膜を酸化させてしまう作用があり、この「細胞膜の酸化」=「老化」もしくは「がん化」に繋がってしまうとも言われています。

そこで、この活性酸素を無害化させなければならないのですが、ここでも働くのは酵素です。

酵素は私たちの体に、もともと生産されたものか、もしくは植物を食べて体の外から補っていくものがあります。

その中でも抗酸化に働いてくれるのが抗酸化酵素と呼ばれ、SOD(スーパーオキシド・ディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどがあります。

また、この酵素の働きを手伝ってくれるビタミンの力が必要になってきます。

抗酸化酵素を補助するビタミン類(補酵素)が、ビタミンC、ビタミンE、ファイトケミカルです。

これらのビタミンが細胞膜を酸化から守り、粘膜を保護し、細胞を酸化から守ってくれます。

これらのビタミン類やファイトケミカルは微量栄養素と呼ばれ、新鮮な野菜や果物に多く含まれています。

これらの食物は抗酸化=抗老化(アンチエイジング)に貢献してくれます。

ビタミン類を含む主な食品

効能代表的な食品
ビタミンB1糖質・アミノ酸の代謝酵母・米ぬか・豚肉など
ビタミンB2肌の生まれ変わりを促進、糖質、脂質、タンパク質の代謝さけ・ます・豚肉・レバーなど
ビタミンB6ヘモグロビン合成・神経伝達物質合成・免疫正常化・皮膚粘膜の抵抗力強化・脂質の分解などマグロ・にんにく・バナナなど
ナイアシン糖質、脂質、タンパク質の代謝・ステロイドホルモンの合成・DNAの修復・アルコールの代謝など鶏胸肉・カツオ・たらこ・落花生など
パントテン酸糖質、脂質、タンパク質の代謝・抗ストレス・抗動脈硬化など鳥レバー・豚レバー・しいたけなど
ビタミンC脂質の代謝・ホルモン生成・酸化還元反応・コラーゲンの合成アセロラ・赤ピーマン・ブロッコリー・キウイなど
ビタミンE抗酸化作用・細胞の健康維持アーモンド・ドライトマト・落花生・モロヘイヤ・かぼちゃなど
ファイトケミカル抗酸化作用ブルーベリー・大豆・緑茶・みかん・大根・玉ねぎなど
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有酸素運動などでミトコンドリアモードになった時は、このような食物をとって活性酸素の除去をする必要があります。

次回は「ミトコンドリアの活性が弱まることの弊害」を書きたいと思います。

続き ↓↓↓

【一生物の健康を手にいれる】ミトコンドリアを活性化する方法【ミトコンドリアについて③】

バックナンバー ↓↓↓

【ガン、肥満、糖尿】ミトコンドリア活性が弱まると、あらゆる病気になる【ミトコンドリアについて①】

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