チアミンという物質で体内で補酵素のTDP(チアミン2リン酸)に変換され、糖質の代謝をスムーズにし、疲労の回復に働きかけ、脳と神経の働きを正常に保つ性質があります。
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効果的な食べ合わせ
豚肉 + にんにく ビタミンB1の吸収率アップ
豚肉のビタミンB1とニンニクのアリシンが融合すると、吸収率がアップし壊れにくくなります。アリシンはにんにくのほか、玉ねぎ、ニラにも含まれています。
ご飯 ⁺ 納豆 味も栄養も相性抜群
精米した時に出るぬかにはビタミンB1が多く含まれています。白米の失われてしまったビタミンB1を納豆が補ってくれます。ねぎを刻んで入れればアリシンの効果で吸収率がアップします。日本人に生まれたことに感謝!!
体内での働き
糖質をエネルギーに
ご飯やパンをいくら食べても、ビタミンB1がなければ糖質をエネルギーとして使用することができません。不足すると頭がボーっとしたり体がだるくなったりしてしまいます。
脳と神経を正常に保つ
脳と神経が通常使うエネルギー源はブドウ糖です。ビタミンB1はブドウ糖の代謝に働きかけることで、脳と神経の働きを正常に保ちます。さらにアルツハイマーの予防効果があるといわれ、近年に注目が集まっています。
疲労を回復する
ビタミンB1が足りないと、ブドウ糖がエネルギーとして使える形になる前の状態でたまるため、その後、疲労物質として体に蓄積します。ビタミンB1を補給することで、たまった疲労物質をエネルギーに変換することができ、疲労が回復します。
摂りすぎたら?
ビタミンB1は水溶性ビタミンなので摂りすぎた分は尿として排泄され、過剰症は無いと言われています。だからと言って無暗に大量のサプリメントなどを服用することは、やめましょう。何事も摂りすぎはよくありません。
不足したら?
脳の働きに影響が
炭水化物の分解がうまくいかずにエネルギー不足に陥りやすくなります。そのせいで、ブドウ糖が不足して脳がエネルギー不足になり、イライラや集中力、記憶力の低下につながります。また体を動かす運動神経も脳からの命令を受けているので、脳の働きが低下すると運動パフォーマンスも低下してしまいます。
ウェルニッケ脳症になることも
この病気はビタミンB1の欠乏症の一つで、脳と中枢神経に障害が出るものです。重症になると意識障害、眼球の麻痺、歩行障害といった症状が現れます。
アルコール依存症の人がなりやすいと言われています。その理由はいくつか考えられますが、一説でアルコールを糖質に分解する時に大量のビタミンB1が消費されしまうために不足に陥ってしまうという説が有力です。
どれぐらい摂取する??
男性は1.4mg 女性は1.1mgが目安
炭水化物やアルコールを多くとる傾向の方は目安よりも多めに摂ることをお勧めします。なお、ビタミンB1は水溶性で加熱に弱く、空気にさらされると劣化してしまう性質があります。加熱は短時間に水や空気にさらすのも短時間にすることがポイントです。
【「脚気」は昔の病気??】現代でも起こりうるヤバい理由
ビタミンB1が不足して起こる脚気には足のむくみ、しびれ、全身倦怠感、食欲不振などの症状がります。江戸時代から昭和初期までこの病気にかかる人は多く、死病として恐れられていました。
別名「贅沢病」ともいわれ、当時の人々も精製された白米を取ることが原因だと気づいていました。ビタミンB1は米ぬかに多く含まれているため玄米食が主流だったころはビタミンB1が不足することがなかったということです。
現在では、インスタント食品やファストフードなどに偏った食生活を送っていると、ビタミンB1が不足して現代でも再び脚気が流行すると言われていたことがあります。しかし、多くの加工食品はビタミンB1が添加してあることがあり、脚気の流行の心配はなさそうなのですが、炭水化物中心でアルコールを多く飲む生活を送っているとビタミンB1が不足して脚気一歩前ぐらいになってしまう可能性があります。そのような恐れのある方はぜひ食べ物でビタミンB1を補ってください。
ビタミンB1を多く含む食品ランキング
- 豚ヒレ肉(大型種/赤肉)(一人分/100g) 1.32mg
- 豚もも肉(大型種/赤肉)(一人分/100g) 0.96mg
- 豚ロース肉(大型種/赤肉)(一人分/100g) 0.80mg